【不法滞在】日本出生のタイ人高校生に強制退去処分 法治国家として当然の判決であるものの同情の声も

この記事は2分で読めます

2016年12月6日、日本で不法滞在などをしていたタイ人の父母から出生し、強制退去処分を受けた甲府市の県立高校2年・ウォン・ウティナン君(16)が国に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁で下されました。

 

判決は「強制退去処分は適法だった」という内容で1審の東京地裁判決を支持するものになっています。

 

判決などによると、日本に不法滞在中の母親から出生したウティナン君は日本の学校に通わず、タイ人コミュニティー内で生活。日本語、タイ語能力とも不十分だった。12歳で支援団体の協力で日本語を学び公立中学に編入。母とウティナン君は特別在留許可を求めて25年に入国管理局に出頭したが、26年8月に強制退去処分を受けた。処分を不当として東京地裁に提訴したが、今年6月に請求が棄却され、母は9月にタイに帰国。ウティナン君は控訴していた。

 

 

【参考】

『「日本にいたい」日本で出生のタイ人高校生、強制退去処分覆らず 東京高裁』・産経新聞

http://www.sankei.com/affairs/news/161206/afr1612060025-n1.html

 

1.在留特別許可の規定から見て妥当な判断か

法務省は不法滞在者に対して、ガイドラインによって在留特別許可の許否を判断していますが、プラス要素とされる「積極要素」とマイナス要素とされる「消極要素」には以下のものがあり、今回の件は積極要素に当たる要因が少ないように見受けられます。

 

①「当該外国人が,不法滞在者であることを申告するため,自ら地方入国管理官署に出頭したこと」

確かに自ら出頭したのですが、出頭したのが平成25年であるため、ウティナン君が平成12年に出生してから出頭するまで約13年間もの期間があったことになります。

 

②「当該外国人が,本邦での滞在期間が長期間に及び,本邦への定着性が認められること」

「日本に不法滞在中の母親から出生したウティナン君は日本の学校に通わず、タイ人コミュニティー内で生活。」とあるように、日本への定着性が認められるかは怪しいところです。

 

③「当該外国人が,日本人の子又は特別永住者の子であること」

これについては母親は条件を満たしておらず、父親に関しては一切の素性が明かされていません。

 

僕は平成十二年一月二十一日に、甲府で生まれました。お父さんの記憶も、甲府に居たという記憶もありません。お母さんと一緒にあちらこちらで暮らし、十一歳になる少し前に甲府に引っ越して来ました。

 

【参考】

『「日本で生まれたことが罪なのでしょうか?」日本生まれ日本育ちのタイ人少年、在留許可を求める』・ハフィントンポスト

http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/24/thai-boy-born-in-japan_n_7133976.html

 

2.ウティナン君自身は責められないものの…

今回の判決は法治国家として妥当なものでしょう。

 

ウティナン君の過失によって不法滞在になっていたわけではなく両親に責任があるのですが、一度帰還してから再び来日して永住権の申請をすることもできます。

 

ただし、強制退去手続きによって帰国してしまうと、その後5年間は日本に入国できません。

自らの意思で出国を表明することで『出国命令制度』によって帰国することで、再入国できるまでの期間を「1年間」にすることができます。

 

正当な手続きを以って、日本が好きで永住してくれるなら周りも歓迎してくれるでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

関連記事はこちら

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プロフィール

ggg1_0
影山一樹
Twitter