【安保法案】『放送法遵守を求める視聴者の会』が都内で公開討論会を開催

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2016年6月16日、テレビ報道と放送法をめぐる公開討論会『テレビ報道と放送法-何が争点なのか』が東京都内で開かれました。

米カリフォルニア州弁護士でタレントのケント・ギルバート氏ら『放送法遵守を求める視聴者の会』の3人と、醍醐聡・東大名誉教授ら『放送メディアの自由と自律を考える研究者有志』3人が、それぞれの立場から議論を交わしました。(産経新聞)

 

–<記事引用>–

「視聴者の会」からは、ケント氏、経済評論家の上念司氏、同会事務局長で文芸評論家の小川榮太郎氏が出席。これに対し、研究者有志として、醍醐氏のほか立教大教授でメディア総合研究所所長の砂川浩慶氏、雑誌「放送レポート」編集長の岩崎貞明氏が参加した。

 

 

冒頭、小川氏は「日本のテレビ報道の現状が政治プロパガンダになっている」として、視聴者の会が特定秘密保護法や安保法案をめぐるテレビ報道の賛否バランスを独自分析した結果を紹介。法案への反対意見の紹介が賛成意見を著しく上回っているとして、「(賛否バランスが)9対1というこの数字をおかしいと感じるかどうか聞きたい」と問題提起した。

 

その上で、岸井成格氏や古舘伊知郎氏ら報道番組に出演していたキャスターらが「政治的圧力」を否定したことをめぐり、「いつの間にか『安倍政権になって圧力が強まった』という印象になり、それが国際社会にも宣伝されている」と述べた。

 

これに対し、岩崎氏は「キャスター個人が圧力を受けていることはないかもしれない」と発言。その上で、安倍晋三首相が一部メディアの個別取材に「選別的に」応じていることや、視聴者の会がTBS報道をめぐってスポンサーへの働きかけを示唆したことなどを挙げ、「歴史的には(メディアが)追い込まれている、と私は見ている」と述べた。

 

また、第1次安倍政権時代、総務省が放送局に行政指導を行った件数が「突出して多かった」として、「安倍政権はメディアを気にしている」とも述べた。

 

 

一方、視聴者の会のまとめたテレビ報道の「賛否バランス」について、醍醐氏が言及。醍醐氏は「(視聴者の会が、報道内容の)賛否の振り分けをどのような基準で行ったのか。重要なのは報道の質ではないか」と疑問視。その上で、「法案のどこに論点があるのか、アジェンダを自律的に設定し、調査報道を手掛けることこそがメディアの最も重要な使命だ」と述べ、視聴者の会の主張を「メディアの権力監視機能を理解しない曲論」と切り捨てた。

 

また、岩崎氏は「安保法案への疑問や論点を多くの角度から紹介すれば、当然否定的な意見の放送が長くなる。賛成、反対で色分けをすることが知る権利につながるのか」と述べた。

 

こうした意見に対し、上念氏は「安保報道では、南シナ海などの緊迫した情勢、憲法との関係など、本来議論すべき安全保障の論点から外れた、反対デモが盛り上がっているということに力点を置いた報道が多かったのではないか」と主張。小川氏は賛否バランスの振り分けについて、「作為的かどうか分析してほしい」 として、調査結果を公開しており、第三者からも検証可能であることを強調した。

 

 

討論会では、NHKの籾井勝人会長が熊本地震に関連する内部の会議で、「原発については、住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えることを続けてほしい」と述べたことも遡上に上った。

 

醍醐氏から見解を問われた小川氏は、その報道を知らなかったことを明かした上で、「普通に考えたら問題ではないか」と発言。ケント氏も「公共放送ではなく国営放送になってしまう」「NHKが偏向報道をしたら、それを指摘すればいい」と述べた。

–<ここまで>–

 

『放送法遵守を求める視聴者の会』は、今年4月にTBSに対して「安保関連法案に関する報道番組を広く調査した結果、重大かつ明白な放送法第4条違反と思料される事実が判明した」として公開質問状を発出したところ、同社からは「自律的に公平・公正な番組作りを行っております」との回答を受けています。(放送法遵守を求める視聴者の会HP)

 

–<記事抜粋>–

4月1日に当会から「TBS社による重大かつ明白な放送法4条違反と思料される件に関する声明」と題する声明とTBSへの公開質問状を発出したところ、4 月6日、同社が「弊社スポンサーへの圧力を公言した団体の声明について」と題するプレスリリースを発表しました。 あえてコメントを控えて、両方を掲載いたします。ぜひ、読み比べていたただきたく存じます。ご判断はこれをお読みのすべての皆様に委ねます。

 

視聴者の会の声明文

私たち「放送法遵守を求める視聴者の会」では、この度、TBS社の報道番組を広く調査した結果、重大かつ明白な放送法第4条違反と思料される事実が判明したので、その件に関して、声明を発表する。
放送法第4条1項の“政治的公平性”に関する規定は、従来、放送事業者の“放送番組全体で判断する”とされてきたが、“放送番組全体”とは、期間も対象も不明でり、“政治的公平性”の量りようがない、いわば“マジックワード”のようなものであった。しかし、この従来の見解に関する解釈について、“番組全体 は一つ一つの番組の集体”であるとの自明の理である見解が平成28年2月12日、総務省による政府統一見解で表明されたため、下記期間を対象として、放送 事業者たるTBSの番組編集の実態を“見て”みたものである。

 

~~

 

検討対象は、報道番組に限らずバラエティー番組も含め、24時間、安保関連法案が話題に上った全番組で、日付は平成27年9月13日日曜から20日日曜までの8日間である。
同期間におけるTBSの安保関連報道時間は13時間52分44秒、ストレートな事実報道と言えるのはその内7.3%、それ以外は何らかの意味での賛否の色のついた報道とみなされるので、それを全て「賛成」「反対」「どちらでもない」に分けて検証した。

 

その結果、「どちらでもない」を入れた場合、「どちらでもない」が53%、「賛成」が7%、「反対」が40%であった。「どちらでもない」を外す と、賛否バランスは賛成15%、反対85%である。時間に換算すると、賛成報道は58分17秒、反対報道は5時間12分であった。

 

賛否のとり方については、当会に批判的な人たちから政治的不公平だという声が上がらぬよう自重を極めた。法案に反対する野党が国会内で揉める長い場面や 「法案への理解が進んでいない」などというコメントが殊更に挟まる場面は法案反対の意図が明白だと思われるが、あくまで中立報道とみなし「どちらでもないに含めた。即ち、平均的な視聴者の印象としては、当会調査による「どちらでもない」の殆どは、法案反対の印象を与える場面だったことを申し上げておく。

 

さらに、賛成側の有識者、コメンテーターは、世上、多数に上るにも関わらず、賛成側有識者によるコメントは殆ど放映されなかった為、賛成にカウントした場面の殆どは安倍首相、中谷防衛大臣による国会答弁のシーンである。もしこれらと野党の批判場面を全て客観報道として「どちらでもない」に含めると、実質的 な「賛成」の報道時間は限りなくゼロに近くなる。局側が用意したコメントは、全放送番組、長時間に渡りほぼすべて法案反対側だった。

 

~~

 

ところで、時間公平では政治的公平性を測れないという見解がある。では何で測るのか。自分こそが正義であり、その立場から公平性を測ればいいといわんばかりのジャーナリストや学者が、今回の事例で多数現れ出たことに当会は衝撃を禁じ得ない。自分の正義を絶対視する人々がリベラルを標榜する、これほど傲慢で滑稽な自己矛盾はあるまい。

 

我々の主張は一貫して簡単素朴なものだ。放送事業者の役割は、あくまで様々な論点を国民に知らせるメディア=「媒介」であり、そうした多様な見解に触れた 国民が、自ら主体となって政治決断を重ねてゆく以外に、民主社会における世論成熟の方法があるはずがない。一定の見解に立つ放送事業者、学者、ジャーナリストが、電波を独占して、特定の方向に論調を誘導するのは洗脳であり、国民の知る権利の妨害であり、民主主義の破壊であり、どのような正当性をも決して有しない。もし正義を主張する人間によるそのような恣意的独占が許されるならば、ヒトラーがTBSを、ムッソリーニがテレビ朝日を、スターリンが日本テレビの経営権、編集権を占拠して、「正義」の名のもとに恣意的な報道を始めた時、国民は知る権利と自由を守り、民主主義を守るためにどんな手段があるというの か。
時間公平を強く要求することは、そのような不当な民主主義の破壊を防ぐ、現時点で最も簡単で有効な手段だと、当会は強く主張する。
一方、放送法第4条は法規範ではなく倫理規定だとの主張も執拗になされてきた。

 

~~

 

4か月余りにわたる我々の警告に対して、放送事業者もジャーナリスト、メディア学の専門家も、極端な賛否バランスの問題性、違法性を一切認めようとせず、論点を「安保法制の違憲性如何」や「政府による言論弾圧」にすり替えて自己正当化を図り続けた。その自浄能力、反省能力のなさに対して、当会は、日本の民主主義と自由の為に、深刻な絶望を抱かざるを得ない。

そこで、当会は、以下、法律違反を犯したTBS社、倫理向上委員会を名乗る任意団体BPO、TBSの報道番組のスポンサー企業各位、国会それぞれに以下のような要望を申し入れることとした。

 

◆TBSへの要望
1.この度の当会の調査結果に対して、放送法第4条の二及び四を遵守していると考えるか否か。遵守しているとの判断ならば、その根拠を明確に示すこと。

 

2.放送法第4条の二及び四に抵触したことを認めるのであれば、その責任を明確にし、再発を防止するため直ちに全社的な対応を取ること。
よく言われるように放送法第4条が「倫理規定」であるのならば、その「倫理」をこれだけ守れていない以上、視聴者、スポンサー企業に対し、法的、社会的責任を自らとることを強く要求する。

 

3.責任の取り方として、以下の対応を求める。
(1)第三者による調査・改善委員会の設置。人選については多様な立場の専門家で構成し、対立する見解を持った構成員を最低限保証すること。「お友達委員会」であってはならない。
(2)調査においては、安保報道全期間とし、放送法第4条に抵触する「違法性」の所在を自ら明確にすること。
(3)原因究明と再発防止のための具体的方針を明らかにすること。
*とりわけ、個別の番組、また放映曜日によっても多数の制作会社、人員が関わっているにも関わらず、なぜここまで局全体の論調が統一されてしまうのか、その構造的原因を明らかにすること。それができない限り再発を防げないと当会は考える。
(4)経営陣が辞任を含めた明確な形で引責すること。

以上に関して、取り組みの方向性を明示した「誠意ある」回答を4月8日までに発出するよう要望する。

 

◆BPO=(放送倫理・番組向上機構)への要望
1.この度当会が明らかにした時期の、安全保障法制をめぐるTBSの報道について、放送法第4条の二及び四に鑑みた違法性を確認すること。

 

2. 原因を究明し、再発防止のための具体的な勧告を出すこと。
BPOから誠意ある回答がない場合、予てからその存在に疑問の声があるBPOの実態について、当会として調査を開始し、国民にとってより納得のいく形の、真の第三者委員会の設立を目指す。

 

◆スポンサー企業への働きかけ
当会は、日本経済を支える優良な多数のスポンサー企業に対して圧力行動をとりたくはない。
しかし、TBSが上記要望に対して4月8日までに「誠意ある」回答を発出しなかった場合、一定の形式や節度を重視しつつも、国民的なスポンサー運動の展開を検討せざるを得ない。その場合は以下の手順をとるであろうことをここに予告する。

 

1、当該番組のスポンサー企業各社に対して調査報告を送付。

 

2.スポンサー企業が問題の所在を確認し、自らの判断により適切に対処することで、違法報道による社会的な負の影響(ネガティブ・インパクト)にスポンサー企業自身が加担するリスクを防ぎ、社会的責務・株主に対する責務をより良く果たせるよう提言書を添付。

 

3.放送事業者とスポンサー企業が協同して果たすべき社会的責任について、広く国民的な注意喚起運動を開始する。

 

◆国会への要望
放送制度の抜本的な見直しについて、以下の項目に関する検討、議論を要望する。

 

1.放送事業者、政府双方からの独立性を確保し、多様な国民の意識を反映した放送監督制度の確立。現状では、政府機関の、しかも独任制の大臣が監督 処罰権限を持つために、実効性ある規制が言論・表現の自由の観点から困難であるという構造的問題がある。監督機関の独立化によりこれを解消すべきだ。

 

2.電波停止より手前の、現実的に適用可能な処分の新設。「金銭的制裁」など。アメリカ、イギリス、フランス等の規制機関には金銭制裁が存在する。

 

3.「電波オークション」導入の検討。現在、テレビ局全体の電波利用料負担は総計で34億4700万円。それに対し営業収益は3兆円を超える。電波の“仕 入れコスト”は、営業収益のわずか0.1%ということになる。電波オークションの導入は、価値に見合った電波使用料の適正化と共に、事業者の入れ替わりを 原理的に可能にすることで、既存の放送授業者が信頼性を維持向上する動機付けとなる。(電波オークションを行っていない国はOECD加盟34カ国中3カ国 だけ、先進国では日本だけである。) 以上

 

TBS社のプレスリリース

弊社は、少数派を含めた多様な意見を紹介し、権力に行き過ぎがないかをチェックするという報道機関の使命を認識し、自律的に公平・公正な番組作りを行っております。放送法に違反しているとはまったく考えておりません。

 

今般、「放送法遵守を求める視聴者の会」が見解の相違を理由に弊社番組の スポンサーに圧力をかけるなどと公言していることは、表現の自由、ひいては民主主義に対する重大な挑戦であり、看過できない行為であると言わざるを得ません。

 

弊社は、今後も放送法を尊重し、国民の知る権利に応えるとともに、愛される番組作りに、一層努力を傾けて参ります。

–<ここまで>–

 

マスコミは「自分たちのしていることは間違っていない」という認識なのであれば、今の報道姿勢を改めるということはないのでしょう。

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