【実は危険!?】エナジードリンクを飲むことで心臓に悪影響!? アメリカでは研究結果も公表

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日本でも「翼をさずける」というキャンペーンで人気の『レッドブル』。

宣伝から伝わるパフォーマンスや集中力、瞬発力の向上などの効果を期待し、値段は高めでも、利用するビジネスパーソンは多いのではないでしょうか?

 

ところが、実際にはそのような効果はないなどの理由から、米国で集団訴訟が起こりました。(日経トレンディネット)

 

–<記事抜粋>–

最近ではエナジードリンクが若者に及ぼす影響に関して、メディアや医師、政治家、親たちの意識が高まっています。2013年には、エナジードリンクが若者におよぼす利点とリスクが、医学雑誌「Pediatrics in Review」に報告されました。

 

エナジードリンクは、米国では1980年代後半に登場しました。2006年には約200もの新ブランドが市場に投入され、年間50億ドルもの収益をもたらすようになりました。現在、エナジードリンクは米国の大手飲料市場の売り上げの約49%を占めています。

 

市場調査では、米国の10代の若者において、2003~2008年にエナジードリンク消費量が16%増加し、10代の若者のうち35%は定期的にエナジードリンクを飲んでいます。エナジードリンクのメーカーはさまざまなスポーツチームのスポンサーにもなっており、消費者は男子学生が多いようです。最近はさらに、女性をはじめターゲットを広げた新しい戦略が考えられています。

 

エナジードリンクを飲む理由としては、「睡眠が不十分」「エネルギーが必要」そして「アルコールと混合したいため」という答えでした。

 

世界を見渡すと、同じブランド・商品銘柄のエナジードリンクでも、各国間で成分に違いがあります。ただ調査によれば、ほとんどのエナジードリンクにカフェイン、ガラナ、タウリン、朝鮮人参、糖類、ビタミンB群などの成分が、基本的には同じように含まれています。

 

この成分について、1つずつ、詳しく見ていきましょう。

 

米食品医薬品局(US Food and Drug Administration;FDA)は、コーラなどの飲料に含まれるカフェインの量を規制していますが、カフェインそのものは、法的に禁止や制限された薬物ではなく、一般的には安全と認められる物質です。レッドブルは1缶(250ml)あたり80mgのカフェインが含まれています。最近、米国で大人気のエナジードリンク、5 Hour Energyは、1缶(60ml)当たり200mgのカフェインが含まれています。ちなみに、コーヒーカップ1杯で約80~120mg、紅茶カップ1杯で約50mg、コーラ350ml 1本で35mgのカフェインを含むとされます。

 

カフェインは、脳神経系に作用します。

 

適度な量のカフェイン摂取は、エネルギーの増加、身体能力の向上、疲労減少、瞬発性の向上、認知機能の強化、集中力と短期記憶の向上につながるという研究報告があります。

 

一方で、カフェインの摂取とその減量や中止による、さまざまな健康への影響が懸念されています。神経過敏、不安、精神錯乱、手足の震え、骨粗しょう症、消化器系の問題、吐き気、不眠、眠気、頻尿、頭痛、動悸、不整脈、および高血圧などの症状が表れたり、学齢期の子どもたちの場合、1日あたり120mgから145mgのカフェインを2週間摂取すると、禁断症状が表れることも報告されています。

 

またカフェインの過剰摂取(使用)によって生じる心血管系への影響は、アスリートの死亡原因にもなっています。カフェインの値が高い場合、十分な水分補給がないと、カフェインの利尿効果により脱水症状を誘発します。

 

ある研究では、米国における高校生の95%が、カフェインを摂取していることが明らかになりました。そのほとんどは炭酸飲料からの摂取です。カフェインを摂取している若者は、摂取していない若者よりも、日々の不安が悪化しているという報告もあります。

 

日本でも2011年に、食品安全委員会(内閣府)が海外のリスク管理機関等の状況をまとめ、悪影響のない最大カフェイン摂取量を、以下のように設定しています。

 

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アルコールを繰り返し飲んでいると効果が減少して酔いにくくなり、やがて耐性につながるのと同様に、カフェインにも耐性があります。そしてアルコールとカフェインを一緒に摂取すると、カフェイン単独あるいはアルコール単独を摂取するよりも、さらに耐性を強めます。

 

つまりアルコール入りのエナジードリンクや、エナジードリンクとアルコールを混ぜたカクテルは、若者の健康に害を及ぼし、乱用の危険にもつながるのです。

 

ノースカロライナ州にある10大学の最近の調査では、大学生の4分の1は、過去1カ月間に、アルコールとエナジードリンクを自分たちで混ぜて作った カクテルを飲んでいました。アルコールをエナジードリンクに混ぜたカクテルは、実際のアルコール摂取量に対して酔っている感じがしない(酔いが弱く感じ る)のですが、多くの若者はこれを意識していません。研究者は、市販されているとある人気のアルコール入りエナジードリンクを1缶飲むことは、ワインのボトル1本あるいはビール6缶と、5杯ものコーヒーを一緒に飲むのと同じ影響があると説明しています。

 

実際、2010年にはワシントン州の大学生9人が、フルーツ味のアルコール入りエナジードリンクが原因で入院、1人は命に関わる危険な状態でした。その1カ月前にも、ニュージャージー州の大学構内で、23人の学生が同じもの飲んで、酔って入院しました。以来、両大学はこのアルコール入りエナジードリンクを禁止しています。

 

~~

 

【成分2:ガラナ】ドリンクのカフェイン含有量に表示されない!?

南米の植物で「ブラジルのココア」としても知られるガラナには、カフェインの一種であるguaranineと呼ばれる物質が含まれ、ガラナ1gはカフェイン40mgに相当します。

 

ところが栄養ドリンクのカフェイン含有量の表示には、通常ガラナは考慮されていません。だからガラナ入りのエナジードリンクには、より多いカフェインが含まれていると認識しなければなりません。

 

【成分3:タウリン】害は限られているがアルコール消費を助長?

タウリンは、エナジードリンクの中で最も一般的な成分の1つです。私たち人間の体は、他のアミノ酸から独自にタウリンを合成できます。また、タウリンは肉、魚介類、牛乳中に存在し、私たちの健康に有益な効果がされています。

 

ただし、タウリンの効果のほとんどは、タウリン単独ではなく、カフェインや他の物質と混合されて発揮します。エナジードリンクの定期的な摂取によって消費されるタウリンの量は、普通の食事から摂取するタウリンの量(1日あたり40~400mg)を超えますが、タウリンの過剰な摂取による害は限られています

 

ただしタウリンはアルコールの悪い影響を抑えることが示唆されており、それがアルコールの消費を助長しかねません。

 

【成分4:朝鮮人参】実は有害性も

朝鮮人参は、運動パフォーマンスの向上、免疫系の刺激や気分の向上に効果があると言われていますが、不眠症、動悸、頻脈、高血圧、むくみ、頭痛、めまい、躁病あるいはエストロゲン様作用などの有害性も報告されています。

 

注意したいのは多くのエナジードリンクには、治療用量(100~200mg/日)ほどには朝鮮人参は含まれていないこと。最低治療用量を得るためには、エナジードリンクを2~4本摂取しなければならず、そうなるとほかの成分は摂りすぎということになります。

 

【エナジードリンク成分5】その他の添加剤

その他の添加剤(例えば、ビタミンB群やカルニチンなど)にも、さまざまな効果が噂されていますが、 今の段階では十分な科学的証拠を欠いています。それらを少量あるいは大量、さらに長期に摂取することが人体にどのような影響があるかは、分かっていないのです。

–<ここまで>–

 

また、Radiological Society of North America(RSNA)の年次総会では「エナジードリンクが心臓に与える影響」についての研究結果が発表されています。(Science Newsline Medicine)

 

–<記事抜粋>–

健康な成人がカフェインとタウリンを大量に含むエナジードリンクを消費した場合、摂取から1時間後に心臓の収縮率が著しく増加する現象が生じることがRadiological Society of North America (RSNA)の年次総会で発表された新しい研究成果により明らかとなった。

 

~~

 

Substance Abuse and Mental Health Services Administrationによる2013年の資料によると、米国においては2007~2011年の間に、エナジードリンクの摂取が原因となり緊急医療 機関を訪れた人の数は10068人から20783人に大きく増加していることが判っていた。多くの場合、エナジードリンクの摂取で緊急医療機関を訪れた人 のもっと多い層は18~25歳であり、続いて26~39歳の層が占めた。

 

「多くの場合、エナジードリンクはカフェインとタウリンが多く含まれている」とDr. Dörnerは言う。「エナジードリンクに含まれているカフェインの量は、コーヒーやコーラといった他のカフェインを含む飲料の最大3倍にも達している。 この大量のカフェインの摂取することにより、多くの場合、頻脈、動悸、血圧上昇などが生じることが判っている。また、最悪の場合は死に至る場合もあるのです。」

 

今回行われた実験においては、18名の被験者(内、男性は15名、平均年齢は27.5歳)を対象にエナジー ドリンクを摂取してから1時間後の心臓の状態をMRIを使って検査した。全ての被験者は既にMRIの検査を受けた経験をもっていた。そして実験において被 験者はMRI検査を受ける1時間前にタウリンが (400 mg/100 ml)、そしてカフェインが (32 mg/100 ml)が含むエナジードリンクを摂取した。

 

その結果、ベースラインとの比較において、エナジードリンクを摂取した被験者はMRIによる検査の結果により、心臓の左心室の収縮率が著しく増加していたことが判った。

 

しかし、ベースラインとの比較において、エナジードリンクの摂取と心拍数、血圧、もしくは心臓の左心室から送り出される血液の量との間には有意な違いは見られなかった。

 

今回の研究結果についてDr. Dörnerは「エナジードリンクを消費することは、短期的に心臓の心収縮に影響を与えることが判った」と述べる。「しかし、エナジードリンクを消費することが長期的に身体(特に心臓疾患を持つ個人)に対してどのような影響を及ぼすかについては更なる研究が必要となるだろう」とも述べている。

 

Dr. Dörnerはエナジードリンクを消費することが長期的にどのような影響を与えるかについてはまだ判ってはいないが、子供や不整脈などの既に心臓の疾患を 抱えている人はエナジードリンクを摂取することは避けた方がいいだろうと述べている。彼はまた、特にアルコールとエナジードリンクを組み合わせて摂取することは追加的なリスクが生じる可能性があるとも述べている。

–<ここまで>–

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