【デマ記事!?】週刊現代の記事『ダマされるな!医者に出されても飲み続けてはいけない薬』に現場の医師達から呆れの声

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2016年5月30日発売の週刊現代(2016年6月11日号)で『ダマされるな!医者に出されても飲み続けてはいけない薬』という記事が掲載されました。

 

一見、患者のために警鐘を鳴らす内容に見えますが、「副作用を大げさに取り上げており、副作用の発生を上手く抑えていく観点が抜けている」という反論の声が上がっています。

 

『週刊現代『ダマされるな!医者に出されても飲み続けてはいけない薬』にダマされるな!』・カエル先生・高橋宏和ブログ

 

–<記事引用>–

勘弁してくれ、週刊現代。

 

ここ数日、たぶん日本中の医者がそう思っているんじゃないだろうか。

 

今週発売の週刊現代の『ダマされるな!医者に出されても飲み続けてはいけない薬』という特集のおかげで、定期通院して処方を受けている患者さんが不安をつのらせている。
特集で『医者に出されても飲み続けてはいけない薬』と名指しされているのは、プラビックス(脳梗塞などの予防薬)、ブロプレス、オルメテック、ミカルディス(高血圧の薬)など49種類。病院に定期通院している方なら、その中の1つや2つは必ず飲んでいるようなメジャーな薬ばかり。
だから、定期通院している方なら「この記事は、俺のために警鐘を鳴らしてくれている記事だ!」と思うに違いない。その中の何人かでも週刊現代を購入してくれれば、雑誌のマーケティング的には大成功だ。

 

極論すれば副作用のない薬は、無い。
人体になんらかの影響を与える物質が薬や毒だ。
有益な影響のほうが多ければ薬で、有害な影響のほうが多ければ毒だ。
しかし人体への有益な影響だけしかない物質というのはおそらく存在しない。まるでコインの裏表のように有益な影響と有害な影響は切り離せない。薬の場合、有害な影響が副作用だ。

 

副作用のない物質は「毒にも薬にもならない」。人体に必須な物質、水ですら、大量に飲めば「水中毒」という副作用を起こす。
しかし副作用の発生に気を付けつつうまく薬を使っていくことが人間の知恵で、そこらへんのところを週刊現代の特集は無視している。

 

また、記事では高コレステロール血症の治療薬クレストールは横紋筋融解症を起こすから「飲み続けてはいけない」としている。確かに横紋筋融症は高コレステロール血症の薬の恐ろしい副作用の一つだ。しかし副作用を論じるときには必ずどれくらいの確率で起きるかも考えなければならない。
クレストールの添付文書では、横紋筋融解症の発生確率は0.1%未満となっている。1000人に1人以下の確率だ。そしてその副作用の情報は、隠されることなくオープンになっているものだ。

クレストール以外の高コレステロール血症の薬でも、同じように横紋筋融解症の副作用はあり得る。

 

自動車は一定の割合で事故を起こす。だが、人間の生活をめちゃめちゃ便利にしているのも自動車だ。
一定の割合で副作用を起こす薬と、一定の割合で事故を起こす自動車。
両者とも、まったく利用しないという選択肢は存在する。だがその場合には、薬や自動車を利用して得られるメリットも受けることができない。
細心の注意を払い、副作用や事故のリスクをなるべく避けながら薬や自動車を使いメリットやベネフィットを享受するという選択肢もまた存在するのではないか。

 

薬の使い過ぎに警鐘を鳴らすことには賛成だ。もちろんすべての薬に副作用のリスクはある。
しかし総じて副作用よりも体に対する良い影響のほうが大きいものが薬として成立している。副作用のほうが良い影響よりも多い物質は、薬ではなく毒だ。

 

週刊現代の特集は、読者の興味を引くことにはおおいに成功した。たぶん売上の数字もよいだろう。
『ダマされるな!』とこの記事は訴える。だがしかし、誰が誰を、何のためにダマすというのだろうか。
もし週刊現代にジャーナリストの矜持というものがあるのならば、次は正確な情報に基づいた、薬を飲むことのメリットとデメリットを冷静に比較した記事にしてほしい。ひたすらセンセーショナルに患者さんの不安をあおりたてるだけの特集では、百害あって一利なしだ。

 

医療に関する報道でいつも気にかかるのは、例外事象を断りなく一般化して読者の不安や恐怖をあおりたてる手法が使われがちなことだ。
ある薬剤が、副作用が出ることがあるから誰もがみな「飲み続けてはいけない」というのは言い過ぎだ。

 

それがどれくらい言い過ぎかというと、

 

「○○新聞は1989年に『サンゴ汚したK・Yってだれだ』という自作自演記事を載せた。だから○○新聞は読み続けてはいけない」という論理や、

 

「△△新聞社員は2003年に中東の空港に爆弾を持ち込んで現地の人を殺傷した。だから△△新聞は読み続けてはいけない」という論理、

 

「□□新聞社員は2006年に業務上知りえた情報を使ってインサイダー取引をした。だから□□新聞は読み続けてはいけない」という論理、

 

「××新聞は2012年に『iPS心筋を移植 初の臨床応用 ハーバード大・日本人研究者 心不全患者に』という大誤報を載せた。だから××新聞は読み続けてはいけない」という論理と同じくらい言い過ぎである。

何度でもいうが、すべての薬に副作用はあり得る。だがだからと言って無条件に「飲み続けてはいけない」というのではなく、「そういうこともあり得るから、薬とは気を付けながら慎重に付き合う」というのが正しい態度なのだ。

–<ここまで>–

 

『「飲んではいけない薬」はウソだらけ!!??医師でも医療ジャーナリストでもトンデモさんが多発!!』・五本木クリニック院長ブログ

 

–<記事引用>–

オッサン向けの週刊誌はいつのまにやら、健康関連記事が満載になっています。特に週刊現代は以前もご紹介したように「盛り過ぎ」「言葉の一部だけ抜粋」が目立ちます・・・現役医師に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」ってウソだよね、冗談だよね!!??

 

突拍子も無い主張はとかく目立ちますので、雑誌の販売数増を狙うならトンデモさんのニセ医学が有力な武器となるんですね。今回は昨日の週刊ポストのトンデモ記事に続き、オッサン御用達の週刊現代(2016年6月11日号)の「ダマされるな!医者に出されても飲み続けてはいけない薬」に登場する

 

◎医療ビジランスセンターの医師浜六郎氏がどれだけトンデモ系の間違いを述べているかを検討します

 

この浜六郎氏は「下げたら、あかん!コレステロールと血圧 」(日本評論社発行)というニセ医学のオンパレード本を上梓しているので、以前からかなーり気になる存在でした。

ウィキでは関連項目として「近藤誠」「内海聡」というそうそうたるトンデモニセ医学方面の重鎮が記載されていますので「類は友を呼ぶ」ということわざの重みを噛みしめてしまいました(笑)。

 

■アボルブは悪性度の高い前立腺がんを誘発する???

 

運の悪いことに浜六郎さんは私の専門分野である泌尿器科関連の薬について、へんてこなニセ医学情報を伝えています。

◎前立腺肥大症治療薬である「アボルブ」は服用すると悪性度の高い前立腺かんを誘発する

 

と前述の週刊現代で述べています。どこにそれを示した医学論文が存在するんでしょうか?確かにアボルブは前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA の値を下げるので、前立腺がんの発見を遅らせる可能性は常識です。

 

アボルブを使用する場合は事前にPSAを測定して、前立腺がんのリスクを検討して処方します。また、アボルブはPSAの値を半分に減少させることも周知の事実ですから、万が一治療中に前立腺がんが発症したとしてもPSAを定期的に検査していれば全く心配のないものです。

今ではアボルブ自体に前立腺がんを抑制する効果があるのでは?との論文も出だしています・・「Effect of Dutasteride on the Risk of Prostate Cancer」(N Engl J Med 2010; 362:1192-1202)。

 

~~

 

■コレステロール治療薬を貶した浜六郎さんの理論的裏付けは疑問だらけです

1999年に「買ってはいけない」とそれこそセンセーショナルなタイトルの本が週刊金曜日編集部によって出版されて、世間を賑わせました。その影響を受けるかのように、医療機関で使用されている処方薬を「飲んではいけない」的にとりあげたのが浜六郎氏です。

医療不信という追い風にのって、機を見るに敏な行動はそれなりにデタラメであっても世の中に広がってしまいました。代表的著作でコレステロールを下げては いけないと主張されていますが、2010年9月に日本脂質栄養学会が「長寿のためのコレステロールガイドライン」を発表して「コレステロールは高めが長生 き」とメディア等に報道されたために、浜六郎氏は脚光を浴びだしたように思えます。

この「コレステロールが高いほうが長生きできる」との結果は明らかに疫学データの解析間違いであることが医学的には常識となっています。

 

◎「コレステロール値が低い → がんになる」ではなく、「がんになる → 栄養が足りなくてコレステロール値が低い」

と考えるべきなのです。もちろんコレステロール値を改善する薬にも副作用はあります。だからこそ処方薬なので、どんな薬もリスクとベネフィットを考えながら処方する、あるいは服用することは正しいことです。

スタチン系の薬でコレステロールを下げることが有用であることを示した論文は腐るほど出ています。

例えばこれ、「Long-Term Safety and Efficacy of Lowering Low-Density Lipoprotein Cholesterol With Statin Therapy」(Circulation. 2016;133:1049-1050,)。スタチンを服用していると心血管系の疾患の発症を抑え、長期にわたる死亡率を改善することを明らかにしています。

浜さんなどの「危険、危険」「飲んではいけない、ダメ」「買うな!!」などの一派は特異な副作用の事例に極端なスポットを当てて、有効性全てを否定してしいます。

 

~~

 

◎オイ、オイ!!危険性が指摘されています、って誰が誰に指摘したんだよ!!

ニセ医学情報の多くは一般図書や読み物(内容はガセネタやうわさ話レベル)を孫引きしていてトンデモ化する場合が多いのです(例 UFOで有名になった矢追さんの著作に多し)。

浜さん信者さんの中には「高血圧は薬で下げるな!」に影響された信者さんのブログがありました。医療をビジネスにしている方ではないので詳細は避けますが 「降圧剤で癌になるのはユダヤの戦略です」という意味が記されています。ニセ医学・擬似科学方面とユダヤやフリーメイソンの陰謀論はとても親和性が高いよ うですね。

–<ここまで>–

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    • 匿名
    • 2016年 9月5日

    はじめまして。

    ガンになる薬や、体に悪い薬はあります。飲まないほうがいいです。
    薬を売ってる薬剤師もそう言ってました。
    医療系の友人も、かかった医者も何人か飲まないほうがいいと言いました。
    複数の薬についてです。

    「必要もない人に薬をたくさん勧めて金儲けをする」のが悪徳な医者です。
    必要のない検査、手術も同じです。

    それでは、失礼致します。

    • kage
      • kage
      • 2016年 9月5日

      はじめまして。

      貴重なご意見ありがとうございます。

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