【火星の月】『フォボス』と『ダイモス』の起源についての研究結果が今週にも公表!?

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火星の2つの小さな月である『フォボス』と『ダイモス』が、その他の多くの月の消滅を引き起こした巨大衝突の孤独な生き残りであることを示唆する研究結果が、今週の『Nature Geoscience(ネイチャージオサイエンス)電子版』で発表されます。(natureasia.com)

 

–<記事引用>–

ジャガイモの形をしたフォボスとダイモスは、これまでは捕獲された小惑星だと考えられてきたが、地球の月を形成したものと似た巨大衝突で形成された 可能性があるとの説が唱えられている。しかしながら、なぜ火星ではそのような巨大衝突の過程で、例えば地球のように単一の大きな月ではなく、2つの小さな月が残ったのかはよく分からなかった。

 

Pascal Rosenblattたちは、火星の巨大衝突事象と、その結果の衝突残滓円盤の進化の数値シミュレーションを行った。Rosenblattたちは、残滓が 最も高密度で充填されている円盤の内側部分により大きな月が集積することを見つけた。フォボスとダイモスが形成されたと考えられている円盤の外周部分では、残滓は薄くばらまかれており、月が容易に集積することはない。しかしながら、Rosenblattたちは、質量の大きい内側の月による重力の牽引力が 外側の円盤で残滓を攪拌し、小さい外側の月が形成されることは可能であることを示した。Rosenblattたちは、質量の大きい内側の月は最終的には火星の潮汐引力に屈し、潮汐力が届く範囲で形成された他の外側の月の大部分と同様に赤い惑星に落下して、その結果フォボスとダイモスが巨大衝突の生き残りと なったことを示唆している。

 

また著者たちは、この筋書きは、なぜ火星が今日2つの月を持っているかだけでなく、ダイモスの軌道は安定的だがフォボスは徐々に火星に引き寄せられているので、将来的には火星はただ1つの月を持つことになる理由を説明していると結論づけている。

 

同時掲載のNews & Views記事でErik Asphaugは、「かつて火星の周りには多くの月が存在した可能性があり、最も重いものがシステムを形作り最も小さいものは最後に落下した。フォボスは壊れた一連の月からはぐれた最後の生き残りであり、最終段階への準備はできている」と述べている。

–<ここまで>–

 

また、日本国内でも東京工業大学などが「火星にも地球の月にあたるような巨大な衛星が存在したが、地表に落下して消滅した」とする説を検証しています。

 

『「火星には、かつて巨大な月があった」―地上に落下して消滅か』・INTERNET COM

–<記事引用>–

人類が到達すべき地として注目を集める「火星」。そこにはかつて地球の月にあたるような巨大な衛星があったが、地表に落下して消滅した、という説がある。とほうもない考えのようだが可能性としては十分に有り得ると、東京工業大学(東工大)などが検証した。

検証を行ったのは東工大をはじめ神戸大学、ベルギー王立天文台、パリ地球物理研究所/パリ・ディドゥロ大学、レンヌ第1大学による国際共同研究チーム。コンピューターによるシミュレーション(模擬実験)を試み、7月4日発行の英国科学誌「Nature Geoscience(ネイチャージオサイエンス)電子版」に結果を載せた。概要は次の通りだ。

火星の北半球には、太陽系最大のクレーター「ボレアレス平原」がある。この特異な地形を生んだのは、実は悠久の昔に飛来した謎の天体だという。当時はすさまじい衝突によって大量の破片が宇宙に飛び散ったが、やがて多くは寄り集まって、1つの巨大衛星になった。

ひとたびあらわれた巨大衛星はさらに、重力によって周囲をかき混ぜ、より小さな2つの衛星「フォボス」と「ディモス」が生まれるよううながした。

やがて巨大衛星は火星の重力に引かれ、落下して消失。今は小さなフォボスとディモスだけが天に姿をとどめている、という訳だ。

長いあいだフォボスとディモスは宇宙の遠くからやってきて、ひょいと火星の重力につかまった「いそうろう」と考えられていた。だがもし今回のシミュレーションが正しいのであれば、実はいわば火星の「子ども」だった、ということになる。

はっきり事実を確かめる有効な方法は、直接フォボスとディモスまで行ってサンプル(標本)を持ち帰って調べることだ。日本の宇宙航空研究開発機構 (JAXA)/宇宙科学研究所(ISAS)は、2020年代にも火星の衛星に探査機を打ち上げてサンプルを採取する「火星サンプルリターン計画:MMX」 を検討しており、いずれ答えが明らかになるかもしれない。

–<ここまで>–

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