【南シナ海】中国が国連海洋法条約の脱退を検討

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2016年6月20日、中国による南シナ海での領有権主張が国際法に違反するかを焦点とする国連海洋法条約に基づく仲裁手続きで、海域の境界線に関する中国の主張の根幹を否定する判断が出された場合、中国政府が対抗措置として条約脱退を検討していると一部周辺国に伝達したことが分かりました。(共同通信)

 

–<記事引用>–

境界線は、南シナ海の大部分を管轄していると主張する中国が管轄範囲を示す根拠とする「九段線」。これが否定されれば、人工島造成など中国が進める軍事拠 点化への大きな打撃になる。中国政府には、条約脱退をちらつかせ国際社会との対決も辞さない強硬姿勢で臨む構えを強調する狙いがあるという。

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また、Financial Timesの社説ではこの中国側の主張に対して「中国はこの件で国際法を軽視し、弱い者いじめをしている印象を与えるだろう」「フィリピンや領有権を主張する他の国々は、南シナ海の領有権争いで自分たちが同じ立場であることをもっとうまく示さなければならない」としています。(日本経済新聞・和訳)

–<記事引用>–

オランダ・ハーグの仲裁裁判所は数週間以内に、実質的に南シナ海全域に及ぶ中国の領有権主張が合法か否かについての判決を言い渡す。

中国政府は、係争海域で同じく領有権を主張するフィリピンが申請した仲裁手続きを違法かつ非合法だと拒否したが、この手続きは中国が署名し批准した国連海洋法条約(UNCLOS)の下で行うものだ。

 

仲裁の結果がどうであれ、中国はこの件で国際法を軽視し、弱い者いじめをしている印象を与えるだろう。

 

だが、中国と重複して南シナ海の領有権を主張するフィリピンやマレーシア、ブルネイ、ベトナム、台湾、インドネシアの政府をとても勝者とは呼べそうにない。

 

フィリピン政府が2013年に仲裁裁判所にこの件を提訴した直後から、中国は往来の多い海域の中でも最も激しく領有権が争われている場所で、ごつごつしたごく小さな岩礁の露出部分での島の建設や埋め立て、軍事化の計画を開始した。

 

これにより中国は係争海域に滑走路や軍事施設を建設できたが、この大胆さの背景には、どの国もこれに効果的に対抗できなかったことがある。

 

米政府関係者はこれを「万里の長城を造って孤立するようなもの」と声高に批判した。だが、放送される短い発言や同海域で時折実施している「航行の自由作 戦」は別として、小規模ゆえに個々の行動に対しては強い反応が起きないような「小刻み」な戦略を中国が加速させる中で、米政府は無力で受け身にだけは見えないようもがいてきた。

 

同海域で領有権を主張する他国の足並みは、ひいき目にみても乱れている。

 

つい先週には中国の領土 拡大への野心に対する周辺諸国の結束が崩壊した。東南アジア諸国連合(ASEAN)が南シナ海での中国の行動について「深刻な懸念」を表明したほんの数時 間後にその声明を撤回したのだ。態度を変えたのは、ASEAN各国外相と中国の外相が会談した後のことで、このことから、中国政府が国際的な連合組織内の 対立をいかに効果的に利用しているかが見て取れる。

 

また、中国共産党がこの問題に関して他国が考えるほど懸念していない兆候がより鮮明になっている。

 

中国外務省は、大半が小国の60近くの国が南シナ海の仲裁裁判に参加しない中国の立場を支持していると述べたが、その後、この内の5カ国がこれを公式に否定した。また、アフガニスタン、ガンビア、ケニア、ニジェール、スーダン、トーゴ、バヌアツ、レソトの8カ国が中国政府を支持すると公式に表明したが、だからと言って国際的に合法だということにはならない。

 

だが、中国政府が国際社会との結束をアピールしたいのは、世界の聴衆ではなく自国の国民に対してだ。

 

同様に、最近、人権侵害について尋ねたカナダのジャーナリストを中国の外相が口頭で激しく非難した件は、中国国内の国家主義の民衆には非常に受けが良かった。

 

■米、UNCLOSの批准手続きを

ハーグの仲裁裁判所が判決に向けて準備を進める中、フィリピンや領有権を主張する他の国々は、中国政府の言い分に対抗するつもりなら、南シナ海の領有権争いで自分たちが同じ立場であることをもっとうまく示さなければならない。

 

だが、国際的な仲裁は無効だとする中国の主張を崩すもっと効果的な方法は、米政府が速やかにUNCLOSの批准手続きを開始することだ。米国は北朝鮮のような国とともに同条約を批准していない30カ国に数えられる。米国が同条約の批准を拒み続ければ、中国政府はいとも簡単に立場を逆転し、米政府のほうが本当は国際法を軽視して弱い者いじめをしていると主張できるだろう。

 

(2016年6月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2016. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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